銀行印と他の印鑑の違いがわかりますか?
言い換えれば、銀行取引をする為の鍵であると言えます。
そう考えると大事な鍵をそこら辺の三文判にするなんて考えられませんね。
目次
銀行印の定義とは
銀行印とは銀行・ゆうちょ・信用金庫などの金融機関で口座開設に必要な印鑑のことです。
シャチハタやゴム製のもの、訂正印などは用いません。
既成品の印鑑でも登録は出来ますが、基本的な考え方としては認印・実印と併用しない方が良いです。
日常的に使う印鑑との併用は、印影が普段から目についてしまうので防犯上おすすめしません。
1つの印鑑で何でも済ませてしまっていると、いざという時に大切な財産を失ってしまうかもしれないからです。
銀行印を使う場面
- 銀行、ゆうちょ、信用金庫などでの口座開設
- ATMではなく、窓口で現金を引き出すとき
- 口座振替・口座引き落としの手続き
- 住所・氏名の変更など
銀行印に使う印鑑の決まりとは
本人確認が出来れば比較的なんでも良いのが銀行印の特徴です。
- 姓(苗字)のみ
- 名前のみ
- 姓(苗字)+名前
いずれかが入った印鑑であればその他には厳密な決まりはありません。
おすすめがあるとすれば、「姓(苗字)+名前」の方がより印影が複雑になりますので、防犯上良いと言えるでしょう。
そういう点で、氏名が確認できれば問題ないのでイラスト入り印鑑も問題ありません。
一時期話題になった「痛印」と呼ばれるキャラクター入りの印鑑も一部金融機関では問題ないようです。
銀行印としてのサイズも厳密な決まりはなく、口座開設の用紙に収まる常識的な範囲なら問題ありません。
一般的に市場に出回っているサイズ10.5mm~18.0mmなら全て大丈夫です。
銀行などの場合、コンピュータで印影を登録して「それに合致するかどうか」が大事なようです。
ですから「ひらがな」、「カタカナ」の読み仮名で作ることも可能です。
登録したときの印鑑が照合できれば問題ないので、決まりごとが少ないのも特徴です。
とはいえ銀行印に関しては、法律や条例などで何か統一された規格がありません。
少し変わった印鑑を新たに作る時は、自分が口座を開設する金融機関に確認するのが一番確実です。
逆に言えば、無難な作り方をしておけばどこにでも通用するとも言えるでしょう。
女性の銀行印は名前が便利
女性が印鑑を用いる場合、結婚において姓が変わる場合があります。
既に結婚しているから大丈夫という方もいますが、「離婚して姓を戻すから印鑑を作り変えたい」という方もいらっしゃいました。
現代においては夫婦別姓などもありますが、姓が変わる可能性を考慮すると「名前だけ」の印鑑であれば婚姻に左右されません。
名前で新しく印鑑を作る場合は、念の為に金融機関で確認をおすすめします。
認印じゃダメなの?実印との違いは?
普段使っている認印では銀行印に使えないの?
という疑問に思う方もいると思いますが、結論から言えば認印は銀行印にも使えます。
登録出来るか? → 認印もOK
防犯上は安全? → 認印はNG
といった感じです。
何故作りの簡単な印鑑が良くないかという事を、印章を作っている人間の観点からお話します。
本気でやろうと思えば、書類に押した判からでも印鑑は作れます。(やりませんけど)
悪い事をしようとする人がいたとしましょう。
あなたが押した判から印鑑を作って、勝手にあなた名義の借用書を作って借金をしてしまうとかも出来てしまいます。
(そんなに簡単でもないですけどね)
ですから、重要な契約事にだけ使う「実印」と、大切な財産を守る「銀行印」はしっかりとした作りの印鑑を使いましょう。
そして日常的には認印だけを使って実印・銀行印の印影(押した判)がわからないようにしておいてください。
リスク管理として、「印鑑は普段使う印鑑」と「大切な印鑑」に分ける必要があります。
本来はそれぞれの目的で3本以上の印鑑を使うべきです。
ですが、そこまでお金をかけなたくないという場合には、どんなに最低でも2本は印鑑を持っていた方が良いと考えます。
まずは日常的に使う認印、銀行口座開設用の銀行印をそれぞれ持ちましょう。
人生において実印は必ず必要になりますので、その時には実印を作ると良いでしょう。
銀行印に彫る名前はタテ書き?ヨコ書き?
「銀行印はヨコに名前を彫るもの」と認識されている方もいると思います。
これは実用面とゲン担ぎの2点から来ています。
ヨコ書きに名前を彫る印鑑の実用面
印鑑の彫刻は名前をタテ書きで彫るのが通常です。
認印は普通に考えればタテ書きの作りになりますので、横書きにして作りを変える事で防犯上優れているとは言えます。
ですが、銀行印はヨコ書きに彫らなければいけないという決まりはありません。
ヨコ書きに名前を彫る印鑑のゲン担ぎ
お金の流れを水の流れに例えるところから来ているようです。
上から下にじゃぶじゃぶお金が流れていかないように断ち切るという意味合いで横にしたという説があります。
個人的にはあまり印鑑にそういった意味合いを求めたりはしないのですが、実用面の効果は高いかなと思います。
ヨコ書きに名前を彫る印鑑の注意点
印鑑の注文をするときに、基本的な考え方として日本の古い習慣があります。
まず何も指定がない限り、印鑑の名前はタテ書きの彫り方になります。
その上で、昔の書物などは「右→左」へと文字を書かれていましたね。
実印のフルネームでも右側に始まって左側へと文字入れが行われます。
ですからあえて横彫りを指定した場合は「右→左」にお名前が入ります。
すると欧米化が進んだ現代では、押したときには名前が反対になっていると認識されがちです。
「下山(しもやま)」さんがこの作りをすると、「山下(やました)」さんに見えるといった勘違いをされてしまいます。
別に左から名前を入れても構いませんが、元々あるこの考え方からどちらの読みが正しいのかわからなくなります。
こうした認識から横彫りの印鑑は認印にはまったく向いていません。
誤認識があっても届け出た印鑑と照合だければ良いので、銀行印だからこそ成立します。
逆に言えば横彫りは銀行印には向いているのかもしれませんね。
銀行印を作り方の3つのお勧めポイント
ここまでは銀行印に決まりや考え方についてお話してきました。
それらを考慮して、銀行印にはどういった作り方をすると良いでしょうか。
銀行印に適したサイズ
銀行印として考えると、一般的には認印よりも大きく、実印よりも小さく作ると良いとされています。
単純な理由としては所有者が認識しやすいところも一つありますね。
認印を10mm~12mm、実印を15mm~18mm程度と捉えると、自然と銀行印は13.5mm程度がオススメになっています。
ちなみに現在市場でよく出回っている印鑑のサイズは1.5mm刻みです。
10.5、12.0、13.5、15.0、16.5、18.0mmの6サイズがほとんどです。
銀行印に適した書体
篆書体(ていんしょたい)
銀行印としてよく使われる書体に篆書体(てんしょたい)があります。
これは古来中国で使われた「大篆」と呼ばれる書体が起源となっています。
元々印鑑の風習も中国から日本に来たものですからね。
そういった事などもあって、古くから様々なところで篆書体が用いられました。
身近なものとしては銀行が用いている印鑑の書体はほとんど篆書体です。
通帳の表紙の裏を見てみてください。篆書体の印鑑があるはずです。
こうした観点から、「銀行印に適した書体=篆書体」といった認識があります。
篆書体の特徴としては
- 可読性が低いから誰の印鑑かわかりにくい
- 印影が複雑になり偽造しにくくなる
といった点が挙げられます。
銀行印は絶対にこの書体にしなければいけないという決まりはありませんが、篆書体は比較的おすすめの書体になります。
印相体(いんそうたい)
実印に使われることの多くなった「印相体」は篆書体を元にして作られた書体です。
可読性が篆書体よりも低く、名前が判別しづらくなっています。
銀行印は「あなたが登録した印鑑」である事が最も重要なので、「名前が読める必要」はありません。
ですから、篆書体と同じように印相体はおすすめの書体となります。
銀行印におすすめの材質
実印同様、銀行印は大切な印鑑である為欠けにくい素材がおすすめです。
ある日欠けてしまうと、登録が面倒だからと言っても印鑑屋は基本的に同じ印影では作ってくれません。
(倫理上の問題もありますし)
登録している金融機関に全て新しい印鑑で変更しなければなりません。
何かと面倒ですから、初めから欠けにくい素材を選ぶことが重要です。
- チタン
- 石材
- 象牙
いずれも丈夫な素材ですから、好みの見た目で選んでみても良いと思います。
銀行印に使われている材質から、あなたの見た印象も変わってくるというものです。
まとめ
以上が銀行印についてのまとめです。
印鑑なんてなんでも一緒と考えず、あなたを現す大切な印鑑です。
きちんとしている人がそう見えるのは身なりだけではなく、考え方が現れているのだと考えます。
印鑑もそう捉えれば、しっかりとしたものを用いたいですよね。
ポイント
- 防犯上、銀行印は他の印鑑と併用しない
- あなたの名前の印鑑であれば決まりは厳しくない
- 書体は判読しづらいものが防犯上おすすめ
- 丈夫で欠けにくい素材を選ぶ
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