法人印とは会社設立に必要な印鑑
法人印とは、会社の設立に際して必要となる印鑑の総称です。
実際には会社だけでなく、団体や組合など組織的に活動する集まりの印鑑になります。
個人の実印と同様に法人印は、管轄される法務局に登録したものが法人の実印となります。
取引先や、行政機関等で書類の取り交わしを行う際に必要となります。
法人印の種類
法人印には以下の3種類の印鑑があります。
- 登記して主に使う法人実印
- 銀行取引用の法人銀行印
- 重要でない時に使う法人認印
起業した際などには、これらをセットで揃えるとその後の手続きがスムーズになります。
これに加えて、手続き上の処理で住所や社名・代表者名等を書かずに済むゴム印を合わせて用意しましょう。
![]() 法人実印 |
主に丸形の形状で、回文と呼ばれる外周部分に会社(組織・団体)の名称を入れます。
中文と呼ばれる中の文字は、その組織の代表者の役職を入れて作ります。
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![]() 法人銀行印 |
法人用の銀行印は、特別な手続きがあるわけではありません。
基本的には個人と同じように、口座開設の為の印鑑を用意します。 明らかに会社の印鑑でないと判断されないかぎり、一般的な作りであれば問題ありません。 左図のような形状が望ましいですが、丸でも角でも2重になっていなくても大丈夫です。 法人実印と併用する事も可能ですが、リスク管理の観点から実印と銀行印は分けておいた方が無難です。 その場合に丸印であれば中文に「銀行之印」とするような作り方をします。 |
![]() 法人認印 |
形状は丸印と区別して角印で作られることが多いです。
角印は丸印よりも形状が簡易的になるので、防犯上で認印として扱われる事が多いです。 仮に認印として使っていても、実質的な法的効力は同じなので注意が必要です。 |
別の記事でも法人印全般についてまとめています。
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法人設立に必要な印鑑の役割【実印・銀行印・認印】3つ違いを解説
続きを見る
法人実印について
今回の記事では、法人印のなかでも法人の実印について詳しく解説していきます。
会社の設立にあたって登録する印鑑が法人実印となります。
法人実印は、法務局に登録していない限り認印のままです。
実印であっても認印であっても法的効力は同じです。
使い方としては、重要な書類や契約書の取り交わしなどに実印を使います。
請求書や領収書などの横に押すだけなら認印を使いましょう。
簡単に言えば重要な時には実印、そうでない場合は認印という認識で問題ありません。
ただし、実印であっても認印であっても法的効力は同じなので注意しましょう。
時として、両方押すことでより丁寧な対応とするような慣例もあります。
形状
形状は丸・角どちらでも登録上は問題ありません。
ただし、より形状が複雑である方が偽造が困難とされる為、丸印を法人実印とする事が一般的です。
法人実印が偽造されて不正な取引が交わされたとなると多大な損失を抱えかねません。
個人の印鑑よりも、更に扱いが重要になります。
丸印の場合には回文、中文と呼ばれる区分けがされています。
外周部分には組織の名称、中央部分には代表者の肩書きを入れては作ります。
- 株式会社、有限会社-代表取締役印
- 有限会社-取締役印
- 合同会社-代表社員、代表者印
- 宗教法人-代表役員
- 社団法人-代表理事之印
サイズ
印鑑の大きさは,辺の長さが1㎝を超え,3㎝以内の正方形の中に収まるものでなければなり
ません。
出典:法務局
法人実印のサイズは1cm~3cmの正方形で収まる印鑑を用意する必要があります。
ただ、逆に言えばそれ以外はあまり規定がなかったりもします。
角印や丸印のどちらでも、中文があってもなくても問題ない理由です。
書体

法人印の書体
法人印の主な書体ですが、こちらは個人の印鑑とあまり大差ありません。
基本的にオススメする書体は篆書体(てんしょたい)となります。
印鑑の基本となっている書体で、そこから印相体などが派生しています。
という事で、法人印と言えば篆書体と言えるくらいベーシックな書体です。
次いで、印相体は読みづらく、作りが複雑になるのでオススメです。
たまに字が読めるほうが良いという方も中にはいるので、そういった場合は古印体でも良いでしょう。
材質
法人実印は欠けると、登録してある形と相違が生じて使えなくなります。
ですから実印には丈夫で欠けにくい材質を選ぶことが重要です。
材質についておすすめの3種類を解説します。
チタン印鑑
現在、最も印鑑の材質でもお勧めするのは、チタンの印鑑です。
チタンの印鑑のメリットは多く、これ以上ない素材です。
- 金属である為丈夫で欠けない
- 丈夫であるため平坦性が高い
- 粒子が細かく捺印性が高い
- 熱に強く火災でも燃えない
- 自然の保護膜で錆びない
- 金属アレルギーが少ない
- 単純に見た目がかっこいい
このような特徴があります。
下記の記事はチタンの印鑑のこの7つのメリットについて解説しています。
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チタンで実印を作る事をおすすめする理由を解説・メリット7つ
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黒水牛
黒水牛の印鑑も比較的丈夫で印鑑でオススメな材質の一つです。
印鑑の材料として粘り強く、捺印もしやすい印材です。
法人実印として作るなら、黒水牛の印鑑で作っていれば心配は少ないでしょう。
黒水牛の印鑑についての解説記事です。
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黒水牛の印鑑が、実は注意が必要な理由について解説
続きを見る
柘(つげ・アカネ)
柘は古くから印鑑に使われていた木材の一つです。
とにかく安く法人印を揃えたいなら柘の印鑑になります。
こでまで海外産の柘(シャム柘)も質が似ていたことからどちらも、同じものとして考えられていました。
しかし後に違う木材であるとわかってから、本柘(ほんつげ)・柘(あかね)と区別されるようになりました。
基本的に本柘の方が密度が高く、質が高いです。
ですから、選ぶなら柘ではなく本柘の印鑑を選びましょう。
とはいえ他の材料よりは柔らかい為、過信していると欠けてしまいます。
法人印は会社設立セットがお得
法人印の注文にはセット販売されているものがお得です。
というのも印鑑を1本づつ注文すると、セット販売されている物よりも割高だからです。
逆に法人印セットを起業時に作れば、それで全て事足りるようになります。
あとからいちいち「これも必要だった」という事がありません。
下記の表はハンコヤドットコムで販売されている法人印セットの価格を表にしてみました。
(税込) | 3点セット | 4点セット | 1本の値段(天丸) |
イチオシセット | 39,730 | 47,060 | 17,350(平均) |
チタン | 85,850 | 115,680 | 30,760 |
黒水牛 | 29,730 | 38,480 | 11,720 |
本柘 | 20,660 | 26,770 | 8,150 |
※1本の値段は、単品で注文した時の値段です。
※イチオシセットだけ1本づつの総額を本数で割った平均価格です。
ここで言う3点セットは、法人実印・法人銀行印・角印の3本セットの税込価格です。
イチオシセットは法人実印がチタン印鑑で、銀行印が黒水牛、角印が玄武の材質で作られています。
イチオシの理由は、法人印の実印がチタン印鑑で作れる事です。
法人実印は最重要な印鑑なので、これだけでもチタンで作れるのは超おすすめです。
これまで印鑑を数千本納品してきたので、これは真面目な話で本当に間違いないです。
また4点セットだは、更に1本追加で法人認印を丸印で作る事が出来ます。
どのセットもざっと計算すると、セットで購入すると5千円位得する事がわかると思います。
ですから1本づつ用意する事はオススメしていません。
3点セットと4点セットがありますが、個人的には3本セットを購入していればまったく問題ないと思います。
法人印の購入先
さて、作り方がわかったら次に購入先の検討に移ります。
主に実際に店舗のお店で作る方法と、ネットのサイトから購入する2つの方法があります。
私自身が法人印を作って納品しているからわかる事ですが、どちらで買ったからといって印鑑の質自体には優劣は無いと考えています。
ですから、私としてはメリットの多いネットでの購入をおすすめします。
ネットで印鑑を買うのは心配かもしれない場合には、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
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ネットで印鑑を買うのは大丈夫?の疑問について8年目の印鑑屋が解説
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購入すると決まったらおススメしているサイトの紹介はこちらです。
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はんこをすぐに作れるショップの2021年最新版Best5選んでみた
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なにかご相談事があれば、私でも力になれる事でしたらお問い合わせからご連絡下さい。
法人印・会社設立の印鑑についてまとめ
以上が法人実印についてのまとめ記事でした。
最後に作り方についての要点をまとめます。
ポイント
法人実印は丸印で作る
銀行印と角印も別に作る
セット注文がお得
3本セットがあればOK
下記は、私が運営するショップサイトです。
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