この記事では実印はいくらくらい?という疑問を持つ方に対して、お応えしています。
最初に結論から申し上げると、「実印=いくら」か、と言う事は一切決まっていません。
これはどのお店・オンラインショップ・北海道の人・沖縄の人・どの県の人でも同じです。
百円でも千円でも1万円でもなく、決まったものはありません。
ですが、「実印にふさわしい印鑑だといくらぐらいか?」というものはあります。
実印にふさわしい印鑑の要素を決めるのは「あなた」だからです。
その印鑑には理由や、相場もありますので、そこまで解説していきます。
印鑑の値段は用途で決まるものではない
まず印鑑をあなたが購入しようとした時に、例えばお店に行ったらどのように店員さんに相談するでしょうか。
「実印はいくらですか?」
「実印が買いたいです」
よくお客様の要望として耳にしますが、これは正しいようで正しくはありません。
何故なら販売されている印鑑は、どの印鑑でも「認印」にも「銀行印」にも「実印」にも成るからです。
どういう事かと言えば、極端な話100円の認印でも実印になるからです。
これは印鑑を販売している者として、誤解の無いようにあまり言わない事ですが事実ではあります。
100円の印鑑も10万円の印鑑もどちらでも実印に成り得ます。
ですから「実印=いくら」というのは無いと言えるんです。
でも矛盾してるようですが、だいたいの相場はあります。
実印がいくらかは決まってはいないけど、実印はこういうのがオススメですって決まっているからなんです。
実印としてふさわしい印鑑がある
何故「実印がこれだ!」っと明確に決まっていないかは理由があります。
印鑑を構成する要素があまりに多い事が理由です。
その要素は
- 印鑑の目的、用途を決める
- 素材の種類
- 印鑑のサイズ
- 書体
- 彫り方の種類
大きく分けてこの5つのように分類され、それぞれ決めていかなければなりません。
これは自治体にも、性別にも関係なく、印鑑を作る上で一律同じように考える事です。
実印や銀行印を作る上での考え方は、下記の記事でも書いています。
詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
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【実印とは?】個人の印鑑証明に必要な印鑑の事で1人1本が大原則
続きを見る
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銀行印の役割とは口座の開設に必要です。銀行印の作り方と決まり事。
続きを見る
ですから、この記事では簡単に解説していきます。
印鑑の目的、用途を決める
ここがまず、印鑑の構成要素として最重要です。
あなたが使いたい目的が「実印」なのか、「銀行印」なのか、それ以外の普段使いの「認印」なのかです。
それによってその他の要素も変わってくることなので、まずそこを明確にしましょう。
印鑑を使い分けるという感覚がわからない方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
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認印とは?実印・銀行印との役割の違いから何故印鑑は1つじゃダメなのかを解説します。
続きを見る
素材の種類
印鑑の素材の種類は、この先一生使い続けられるかを左右する重要な要素です。
ある意味で印鑑の「耐久力」とも言える部分です。
印鑑がまだ新しい時や、1回や2回落としただけでは割れなくても、長年使っていて落として割れる事はあります。
その時に「割れやすいかどうかは、印鑑の素材が何で作られているか?」ということで決まってきます。
完全にイコールではありませんが、安いものほど割れやすく・高いものほど丈夫だという事は多少言えると思います。
近年チタンの印鑑が主流になってきていますが、これは印鑑の究極系だとも思える耐久力を誇っている為です。
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チタン印鑑は縁起が良い!驚きの理由は『鈦』という文字で金が太るから
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印鑑のサイズ
印鑑のサイズはある程度、一般的なサイズがあります。
認印は正直なんでもいいのですが、基本的には小さいサイズで用意します。
既製品に多いサイズなので、銀行印はこれよりも大きく、実印はそれよりもさらに大きく作るのが一般的な考え方です。
一般的な考え方としているのは、あくまで「考え方」なのでそうでなくても登録は出来ます。
名字だけの印鑑、名前だけの印鑑、フルネームの印鑑いずれも「銀行印」「実印」に成り得ます。
それぞれが向いているものはありますが、扱う人の考え方で変えてしまっても問題はありません。
ですから、そこに正しい知識を持って作って欲しいとは思っています。
あまりわからない方はこのサイトの記事を読んでいただいても良いですし、お店の人に聞きながら作るのも良いと思います。
書体
ここでも一般的な考え方を書いてしまいます。
「認印」は多くの方に認識してもらう為に「読みやすい」書体を選択します。
具体的には「古印体(こいんたい)」、「隷書体(れいしょたい)」、「楷書体(かいしょたい)」などがあります。
「銀行印」「実印」は防犯的な意味合いで言えば、「読みにくい」書体がおすすめです。
具体的には「篆書体(てんしょたい)」や「印相体(いんそうたい)」などがあります。
そんなに広くは使われていませんが「行書体(ぎょうしょたい)」等その他にも使われる書体があります。
彫り方の種類
大きく分けて2種類の彫り方があります。
「機械彫り」と「手彫り」となっていて、優れているのは「手彫り」の方です。
機械彫りの場合にはある程度パターン化された名前の組み合わせで印影(いんえい)を作成します。
印鑑の工程のすべてを機械化しているので、複製品が出来やすい傾向があります。
ただ、手彫りに比べて安価で早く仕上がる為、市場にもっとも流通している彫り方です。
手彫りの場合には、手間暇かけて作成している為「唯一無二(ゆいいつむに)」のあなただけの印鑑が出来ます。
手書きの印影を同じ人が書いても、まったく同じにはなりません。
またそれを人の手で彫るので、そこでもオリジナル性の高い印鑑が出来上がるわけですね。
一般的には日数・お値段が通常の物よりかかるので、「ちゃんと作りたい方向けの彫り方」と言えます。
実印はいくらかと提示している場合
実印はいくらかと提示している場合は、それは「そのお店の場合」と言い切れます。
ここまで書いてきたように、実印がいくらかと決まっているはずはないんです。
実際の所、印鑑を作る機会ってそんなしょっちゅうでもありません。
だから、みんな最初に戸惑って当たり前・わからない人が普通の状態です。
そんな方の為に、わかりやすくおすすめのパターンを決めてしまっているかもしれません。
言い換えるなら「実印におすすめはこちら」「銀行印ならこちら」と言った感じです。
そういう意味で言えば、そのお店ごとの価格は決まっているかもしれませんね。
実印はいくら位の物を選ぶのが良いか
ここまでだと「実印は自分で決めなくちゃいけないもの」で終わってしまいます。
だから私なりに「これ位のものを選ぶと間違いないよ」という示しておきます。
まず大前提として、印鑑は
- 普段使いの印鑑
- 大事な印鑑
最低限、2種類には分けた方が良いと思います。
あれっと思われる方もいるでしょう。
もちろん印鑑を販売したいので、実印・銀行印・認印の3本をおすすめするべきではあります。
でも、印鑑の使う用途に合わせて用意すれば良いし、「印鑑は絶対こうだ」という価値観を押し付けるのも違うかなと思っています。
ですから、日常的に使う印鑑と、大事な印鑑を最低限用意して欲しいと思います。
そう考えると、小さいサイズの認印を読みやすい書体で用意します。
大事な印鑑は銀行印に寄せるか、実印に寄せるかですがどちらでも構いません。
ひとまずあなたが必要とする方に寄せて作ってみて下さい。
そして、それだけだと不安を感じたら、もう一本も用意すれば良いんです。
だからオススメとしては「実印」か「銀行印」としてちゃんとしたものを1つ用意する事です。
何故なら、極端な話どちらでも両方に使えますから。
印鑑屋がこんなこと言ったら誤解されそうですが、認印をそういう風に使われるよりははるかにマシなので。
だから余裕が無い方は、大事な印鑑を1つでも用意すれば大丈夫です。
具体的なおすすめ
認印は古印体で、大事な印鑑は篆書体か印相体どちらでも構いません。
銀行印ならサイズは12~13.5mm、実印なら15~16.5mmとかで作ると良いでしょう。
素材は丈夫なものが良いので、最低でも黒水牛とか牛の角をおすすめします。
木材は朱肉を吸って経年劣化しやすいのであまりおすすめしません。
象牙はおすすめはしますが、年々規制や流通量の減少などもあります。
そう考えると、近年爆発的に普及してきたチタンの素材が一番おすすめかなと思います。
ただ、チタンの手彫りは無いので機械彫り一択という事になりますね。
お金の余裕があって手彫りが欲しい方は、象牙の印鑑で作成する事をおすすめします。
ここまで提示しておいてなんですが、これらの事はお店ごとに価格が全然違います。
実印はいくらか?と聞いても答えは返ってきませんが、お店で「この素材」の「このサイズ」の印鑑はいくらか?と聞くと明確に答えが返ってくるはずです。
実印はいくらかについてまとめ
という事で、「実印がいくらか」と言う事について解説してみました。
実印はいくらかは決まっていませんが、印鑑の要素をそれぞれ決めてあげると価格が決定します。
正しい知識を持って、より良い印鑑を手にして欲しいと願います。
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