印鑑がうまく押せない事って多くないですか?
それは印鑑自体の問題と、印鑑以外の問題がどこかにあると言えます。
印鑑がうまく押せない方はこの記事を参考にしてみて下さい。
私は印章販売をしているので、納品前に試し押しを行います。
その時に気を付けているべき点を順に解説してみます。
印鑑がうまく押せない原因4つ
印鑑を綺麗に押す為には、いくつかの環境を整える必要があります。
それを知らずにただ押していると、かすれたりしてうまく押せない事があります。
下地の問題
まず第1に、印鑑を押す時は平坦なところで押すことが大切です。
「当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、意外に出来てない事も多いです。
机のちょっとした段差で朱肉がつかない場所も出てきてしまいます。
印鑑用のマットがある場合は良いですが、無いと言う人も多いはずです。
出来れば印鑑用のマットはあった方が綺麗に押すことが出来ます。
シヤチハタ 印マット4 特小
印鑑の問題
印鑑は何でも同じというわけではありません。
特に100均等の安い三文判を使っているときには変形してうまく押せないことがあります。
印鑑を作る為にかける手間暇が違うからです。
我々は印鑑をうまく押せないという事がないように注意を払って印鑑を彫ります。
ここで印鑑を彫る工程の一つご紹介してみます。
印鑑を彫る前には、面丁(めいてい)という作業を行います。

印鑑の面丁を行う前の状態
これは、印鑑を彫る工程の最初に行う作業です。
印鑑を押す面がより平らになるようにします。
一見、何も問題が無いように見えますね。
でも表面を研磨すると次のになります。

印鑑を研磨した状態
印材が平らでは無くて、真ん中当りが削れていないのが見えるでしょうか。
水牛などの印材に特に良くみられる傾向です。
材料の整形の段階ではこうした凹凸が残された状態だったりします。
これをそのまま研磨し続けます。

印面を研磨した状態
そうすると最終的にこのように平らな状態となります。
これでようやく初めて、印鑑が綺麗に押せる状態になります。
新品の時は非常に平らな状態になるのですが、使い続けるとこれが摩耗したりします。
あるいは落下によって欠けたり、材料の伸縮でうまく押せないという時があります。
そうすると、新品の時には平だったものが、平らでは無くなってしまうのです。
一度状態の悪くなった印鑑が勝手に良くなることはありません。
ですから印鑑は慎重に扱い、なるべく冷暗所で保管してください。
そしてそもそも、変形しにくい素材(印材)を選ぶことが大切です。
具体的なところで言うと、チタンの印鑑などが丈夫で平らな状態を保てるのでおすすめです。
>>チタンで実印を作る事をおすすめする理由を解説・メリット7つ
朱肉の問題
朱肉は少な過ぎても、つけすぎても綺麗に押せません。
たっぷり押し付けるではなくて、ぽんぽんぽんと朱肉を叩くように印面を当てます。
ムラなく印面に朱肉を付着させるためです。
市販されている普通のシャチハタ朱肉であれば、最後に少し軽く印鑑をひねるようにすると綺麗につくことが多いです。
これが綺麗に朱肉を印面につけるコツです。
ただ、それでもうまく印面に朱肉が付かない事があります。
朱肉自体が劣化している場合です。
古く乾いた朱肉と新しい朱肉を比べて押してみるとわかりやすいと思います。
ただ、こちらも徐々に移りが悪くなっていくので気づきにくいでしょう。
100均の朱肉を使っている方に多い印象があります。
これまでの事で問題がないのに印鑑がうまく押せないようなら朱肉を新しく変えてみましょう。
普通に使う分ならシヤチハタの朱肉で十分です。
シヤチハタ 速乾朱肉 30号
押し方の問題
印鑑がうまく押せない時に、まっすぐ垂直に力任せに押していませんか?
綺麗に押す為には、印面が均一に紙に付着しなければなりません。
私たちは機械ではないので、完璧に平坦に押すのは難しかったりします。
そこで、まんべんなく印鑑を押す為のコツが必要になります。
それは、「の」の字を書くように押した方が良いと言われます。
ただ、イメージしづらいですよね。
一度理解するとそうでもないんですが、理解していないとわかりにくいです。
ですからこれを少し画像を交えて解説します。
印鑑を押す手順
まず持ち方ですが、利き手の指三本で包み込むように印鑑を持ちます。
この時に印鑑のお尻に当たる部分を人差し指の根元に当てます。

印鑑の持ち方
印鑑を押す時に、まず印面の端を書類に一度置きます。

書類に印鑑の端を当てる
端から書類に載せたら、すっと印鑑を立てます。
立てた後に、印面につけた朱肉がまんべんなく均等になるように押します。
イメージとして、「の」の字を書くようにゆっくりと手の腹の部分に力を加えます。

のの字を書くように押す
この時に印鑑が接している部分まで動くように激しくは動かしません。
印鑑は動かさないで、自分の手だけが動くイメージです。
印鑑がうまく押せない時のまとめ
以上が印鑑をうまく押せない時に気を付けるべき点です。
最後にもう一度要点をまとめます。
- 印鑑を押す時は全て平坦なところで押す
- 印鑑が平らで無くなったらうまく押せない
- 朱肉はぽんぽんと押す、乾いていてもダメ
- 真下に力をいれず、のの字を書くように押す
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